FC2ブログ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30

四十九日…美月

一月十八日、父の四十九日と母の二十三回忌法要を合わせて起うことができた。

住職のお経の有り難みは未だ良くわからないけれど、読経のリズムに合わせて懐かしい思い出が次々と浮かんできた。

目の前の遺影の父が別人のように、若い頃の両親の姿は活き活きとしていた。

あの頃、こんな日をこんな形で迎えるとは想像をしていなかった。

私の隣には母が居て、もう泣かないで…と言っても子供のように泣きじゃくる母を宥めているだろうと思い描いていたけれど、結果というのは予想を遥かに超えてしまうことが多々あるものだね。

納骨の際、長らく見ることがなかった母の骨壷を暗くて狭い墓石の下に見つけた。

日当たりの良い場所で眠らせてあげたいと、父が高台に墓を作ってはくれたけれど、それでも墓の中は暗くんだよね。

私もいつか重たい墓の下に閉じ込められるのかと思ったら、子供の頃を思い出し気分が沈んだ。

暗いて狭いところは苦手なんだよね。

いつか押しつぶされてしまうのではないかと思うと息まで苦しくなってくる。

そんなことを思っていたからバチが当たったのか?長男の喘息発作が出てしまい、高速道路を飛ばして帰ることにした。

予約してもらった会食をすることができなくなったから申し訳なかったけど、みんなで四人分を頑張って食べてくれたらしい。

地元に戻り命からがら救急外来を受診すると、家に帰っても夜中に発作が起きると心配だから入院した方がよいかもしれないと説明された。

それでも酸素不足で指先が小刻みに震える息子の眼は、「いやだ、帰りたい、帰る」と書いてあったけど、完全無視して入院させてもらうことにした。

点滴をしながら、途中、二度、吸入をしてもらいながら、病室のベットが整うのを待った。

待つこと3時間半…病室に入れたのは9時を過ぎていたけれど、糸一本で繋がる命を懸命に紡ぐ医師や看護師さんの姿を見ていると文句など言えないと思った。

隣のベットに居た老人は、大部屋が無理なら個室でもいいから早く入院させてくれと騒いでいたけれど、素人の私が見ても重病そうには映らなかったんだけどね。

人それぞれ待ち時間の限界は違うのだろうけど、文句を言う声の間を、お亡くなりになった方とそのご家族が通ったことも見えないほど苦しい状態だったのだろうか?今も疑問は残るけどね。

本当に生きていると色々なことがあるなぁ〜と思いつつ、法要後の説法で住職が言っていたお釈迦様の言葉が浮かんできた。

幸せもあれば不幸もある。
楽しいこともあれば苦しいこともある。

お釈迦様が亡くなる時、色々あるけれど、この世はいいところだなぁ〜と仰ったそうです。

極楽浄土は西方にあるそうですが、夕陽の沈むとき今日があることに感謝することができれば有り難い人生ではないか…と、住職に代わり、現代用語に変換して甥や姪に話して聞かせた(^_^(笑)

東浪見に行くと、先生と二人で灰色の砂浜に腰掛け、夕陽が静かに沈むのを眺めて過ごす。

人生とは儚い夢のようであるけれど、この瞬間の幸福は永遠のものであり、深い感謝と慈愛が満ちてくる。

こんな心穏やかな時間を与えてくれる先生こそが私の教祖様なんだよね。

きっと母にとっても父はお釈迦様より尊い存在だったのだろうと思う。

骨壷も仲良くならび、今まで一人寂しい思いをさせた母の位牌を、父と並べて夫婦位牌に作り変えた。

今頃は再会を喜び、現世の思い出を語っている頃だろうか…。

えへへ、こんなにも頼りない私だけど、死んだ人の心配までするのだから人間って本当にお節介だよね。

でも、私は先生と同じ時代を生きられて幸せだと思っているよ。

美月

関連記事

コメント

コメントを投稿する

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

プロフィール

不良老人カップル

Author:不良老人カップル
___________

(♂) 紅殻格子(べんがらごうし)
1962年8月23日生まれ。
某大手企業に勤めながら官能小説を雑誌に発表する兼業作家。ブログ『妄想の座敷牢』を主宰するも、2012年、妻を亡くし、また自身も食道癌に罹り、文筆活動をしばらく停止していた。

(♀) 美月
1962年8月23日生まれ。
3人の子供と夫を持ちながら家業の役員を務める兼業主婦。ブログ『灰になるまで恋を』を主宰。 偏屈な紅殻格子と10年に及ぶ愛人関係を続けられる自身もまた偏屈で変わり者。
___________

最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
ご訪問ありがとうございます
現在の閲覧者数:
想い出の引き出し
画像をクリックするとアルバムが開きます
ブログランキング
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR