お誕生日…美月

楽しかった二泊三日の東浪見生活は、あっという間に過ぎてしまった。

本当に、あっ!という間の時間でありながら、振り返れば沢山の笑顔が浮かんでは消えていく。

「幸せ」というのは留まることを知らず、川の流れのように過ぎ去り見るものかもしれないね。

二日目は久しぶりに勝浦へと出かけた。

勝浦は滞在時間は短いけれど、想い出の深く、今のような週末暮らしの原点となった場所です。

「週末くらいのんびり晩酌をしよう!」と先生が提案してくれて、
勝浦ヒルトップというコンドミニアムタイプの宿に泊まったのが始まりです。

ああだ、こうだと言いながら、晩酌の材料を買い出しするところから楽しくて、

二人並んで台所に立った時は・・・

若い娘ではないけれど、なんだか恥ずかしくて・・・、新婚生活初日のように心が弾んだ。

まあ、実際の新婚生活初日は、こんな初心な気持ちになってはいなかったんだけどね。

知らない土地での暮らし、新しい生活への不安、果たしてこの選択で本当によかったのか?

今まで通り都会に働きに出ながら、帰宅時に見る車窓の景色の寂しさに間違った電車に乗ってしまった気持ちになった。

今思うと・・・新たな生活に不安を抱えていたわけではなく、心の迷いに気づかぬように他の言い訳を探していたのかもしれない。

そんな私が42歳で先生と出逢い、世間とは後ろ向きの恋をするようになったにも関わらず、迷いというものが一切なかった。

現生活に疲れて、やけくそになってということではなく、先生と一緒にいられるなら怖いものはないと思った。

唯一の恐怖は、どんな事情であれ、たとえ死であれ、いつか先生と離れなければならない日がくると思うと、布団の中で体を震わせ早く朝になれ!と願った。

まるで幼い頃、両親の死を想像し、声を殺して泣いた日のように怖かった。

それは今でも変わらないし、この先、何年経っても・・・ううん、月日が経つほどに恐怖は深まるのだろうと思う。

先生は私に憑りつかれたと言っているけれど、本当にその通りだと最近は実感している。

人を好きになるというのは、素晴らしく恐ろしいものであることを知れてよかったなぁ・・・。

今、時計の針が12時を指した。

今日は先生と私の55歳の誕生日です。

先生、お誕生日おめでとう・・・そして生まれてきてくれてありがとう・・・。

先生がこの世に生まれて来なかったら、私の今はないと思うと無性に先生が恋しくなる。

「幸せ」という字を遠慮せずに書けるのは、先生が居てくれるからだもんね。

いつまでも・・・いつまでも・・・変わらぬ愛を届け続けたい。

55歳になっても出逢いの感動に心震えています。

美月


プロフィール

不良老人カップル

Author:不良老人カップル
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(♂) 紅殻格子(べんがらごうし)
1962年8月23日生まれ。
某大手企業に勤めながら官能小説を雑誌に発表する兼業作家。ブログ『妄想の座敷牢』を主宰するも、2012年、妻を亡くし、また自身も食道癌に罹り、文筆活動をしばらく停止していた。

(♀) 美月
1962年8月23日生まれ。
3人の子供と夫を持ちながら家業の役員を務める兼業主婦。ブログ『灰になるまで恋を』を主宰。 偏屈な紅殻格子と10年に及ぶ愛人関係を続けられる自身もまた偏屈で変わり者。
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